ののの本事情

ののがおすすめする本を紹介します。

生命の継承

 

人の輪を見かけた。

 

小学校にあがったくらいの小さき人を

囲うように大人たちが集まっていた。

 

何事かと首を突き出した。

 

その小さき人の両腕には、

更に小さい生命そのもののが抱かれていた。

 

正直、小さき人には重荷だと考えてしまった。

しかし、生きていれば関わることである。

 

恐らく、小さき人から申し出たのだろう。

自分も抱っこしたい!と。

 

周囲の大きい人たちは止めず、

むしろ率先して小さき人を助けていたように見える。

 

 

小さき人は両腕でしっかりと、生命そのものを受けとめていた。

少しぎごちなく見える。

 

小さき人の前方と左右に大人たちが、

真横には小さき人よりも少し背が高い髪の長い少女が

見守るようにして寄り添っていた。

 

まるで外国の絵画のようだ。

 

なんだか、教えられた気がした。

命とは、肌と肌を関わることで継承していくものだと。